社長メッセージMessage from the President & CEO

「エンジニアリング力」を生かして
第一実業ならではの新しいビジネスを創造していきます

ステークホルダーの皆さまには、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
第101期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の決算が終了いたしましたので、日頃よりご支援いただいております皆さまに、業績等をご報告申しあげます。

当期における日本経済は、半導体など部材供給制限緩和に伴う生産活動の持ち直しや、経済活動の正常化が進むなか、円安の進行、価格転嫁の進展、インバウンド需要の拡大等を背景として、緩やかな回復基調をたどりました。しかしながら、中国など海外経済の減速懸念、中東情勢の不安定化をはじめとした地政学リスクの増大、物価上昇に伴う需要の減少、人件費高騰によるコストの増加、労働者不足の深刻化への懸念など、先行きの景況感については依然として慎重にならざるを得ない状況となっております。

このような状況の中で、当社の第101期における通期連結業績は、期初の予想を上回る増収増益となりました。売上高、各段階利益ともにも過去最高値を更新し、中期経営計画「MT2024」の3年目の計画も前倒しで達成する好業績となりました。エナジーソリューションズ事業では国内外向けのリチウムイオン・バッテリー製造装置や、産業機械事業では北米での塗装関連のプロジェクトが順調に進捗し、グローバル企業とのビジネスも拡大してきております。これは、2016年3月期から移行した事業軸制と当社の強みであるグローバルネットワークを生かした、それぞれの地域における事業活動に加え、当社独自のエンジニアリング力を生かした「モノ×コト売り」が着実に進化している成果だと考えております。

好調が続くエナジーソリューションズ事業や自動車事業では、EV市場の鈍化による業績への影響が懸念されますが、エナジーソリューションズ事業においては、今期も海外での大型プロジェクトの売上を予定しており、受注においては電動化に向けた長期の投資計画が続く日系企業に特化した活動を進めてまいります。自動車事業は、電動化製品への取り組みを継続しつつ、ハイブリッドの需要増の動向も捉えておりますので、内燃機関への投資にもアプローチし、受注の獲得に努めてまいります。また、アジアでの成長市場と位置付けているインドでは市場開拓を加速させるべく、自動車や二輪、家電業界などの現地企業をターゲットにした、搬送システムを製造する会社を設立しました。

今期は中期経営計画「MT2024」の最終年度を迎えます。社員一人ひとりが「次世代型エンジニアリング商社とは何か」を自主的に考えながら行動しており、それが着実な成果につながっていると考えています。事業軸と国内外の各エリアにおける活動を掛け合わせながら「第一実業ならでは」の新しいビジネスを創造し、持続的な成長と企業価値向上を実現することを目指します。ステークホルダーの皆さまには、引き続きご支援を賜りますようよろしくお願い申しあげます。

2024年5月

代表取締役 社長執行役員 宇野一郎