資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応についてAction to Implement Management that is Conscious of Cost of Capital and Stock Price

1. 現状分析

当社は、成長戦略「V2030」において、「BS 経営+PL 経営」「マルチステークホルダーを意識した経営」を基本戦略に、また中期経営計画「MT2024」において「財務戦略の強化」を定性目標に掲げており、ROE10%以上を定量目標としております。
当社では、売上、仕入、販管費、租税といった各項目において、取引先、従業員、地域社会といったステークホルダーに利益貢献をしながら、最終利益を株主に分配しており、会社の持続的な成長と企業価値の向上を図ることで、投資家の皆様のご期待に応えられるよう努めております。
当社の直近5年間のROEとPBR実績は以下の通りです。

  2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
ROE(%) 10.1 10.4 9.3 9.6 10.3
PBR(倍) 0.75 0.76 0.83 0.78 0.93

過去5年間のROEは当社の考える株主資本コストを上回っておりますが、10%を継続的に維持できておりません。また、当社のPBRは1倍を下回る状態が続いており、昨今は1倍近辺まで上昇しているものの、継続的に1倍以上を達成していくためには、収益の拡大とともに市場からの期待値向上をもたらす施策が必要であると認識しております。

2. 改善に向けた取り組み

資本収益性や市場評価の改善を図るためには、成長戦略「V2030」と中期経営計画「MT2024」の着実な実行を通して成果を上げることを目指しますが、特に以下の項目への取り組みに注力し、企業価値向上に努めてまいります。

  1. 5年間で150億円の積極的な事業投資でコアビジネスをさらに強化し、成長を加速
  2. キャリアデザインに応じた階層別教育、高度資格保有者の採用によるエンジニアリング力強化、中核人材における女性比率向上と外国籍人材や経験者採用の推進、幹部候補育成等の人的資本投資
  3. 売上高成長率、ROICといった経済価値指標と合わせ、受注高、事業ドメイン魅力度といった市場価値指標を組み合わせた当社独自評価手法による事業ポートフォリオの可視化を通し、経営資源の最適配分による企業価値の向上
  4. 当社としての価値創造やサステナビリティの戦略をまとめた統合報告書の発行や、機関投資家・個人投資家向け説明会、投資家とのより積極的な対話を通したIR活動の強化