人材育成方針と社内環境整備方針
人材の多様性の確保を含む人材の育成の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針
当社は、2022年に「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」をミッションとする新たな経営理念を策定しており、多様化するニーズに合って、先進的な技術や高品位なサービスを生かした提案力により、「次世代型エンジアリング商社」をあるべき姿として目指しております。
人材育成方針
環境の変化に対応できる、しなやかさと強さを兼ね備えた人材の育成と組織形成
社内環境整備方針
「高度専門性」「自律」「多様性」「健康経営」を軸に
「採用」「研修・教育」「制度」の深化・充実を図る
方針を実現するための具体的施策
一般職、総合職の統合
- 特に女性のこれまで以上の活躍に重点を置き、多様な働き方を実現し、働きがいのある環境整備
- これまでの2者択一的な選択肢から、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を選択できる制度に変更
グループ長・部長代理クラスへの残業代支給
- プレーヤー色の強いミドルマネジメント層の役割を再整理し、残業代を支給
- 最前線で現場を牽引する社員のモチベーションの向上を図る
部門長研修および昇格試験への360度評価導入
- 評価の公平性の確保
- 自らの特性を把握し改善につなげる
- 対話を重視した組織づくり
エンジニアの就業・成長環境の整備
- スキルマップを実装し適切なジョブへの任命や長期育成
- 海外長期プロジェクトの支援策を強化
外国籍社員
- 本社の役割等級制度をモデルに、地域性も重視した人事制度を実装中
- ガバナンス、行動指針、経営理念などを浸透させるための教育
人材育成の考え方
当社は成長戦略「V2030」達成に向け“「一緒に仕事をしてみたい」そう思える人材のそろった会社”を人材育成の目指すべき姿として設定し、その人物像を下記のとおり定義し、各種の人事施策に反映させています。
RESILIENCE
ビジネス上の体験を、自己変革の機会とすることができる、柔軟な思考
FAITH
仕事をしていく上で、共に働くことに敬意を持ち、相互に信頼を築くことができる
PROFESSION
全てのステークホルダーに対する貢献
前向きな姿勢で「人をつなぎ」、精通した知識で「技術をつなぎ」、献身的な行動により「世界を豊かに」できる人材を育成してまいります。
人的資本経営
当社は社員一人ひとりを「自ら考え、周囲に働きかけながら、実現に結びつける」ビジネスパーソン志向を備えた人材とするべく、長期的な視点で育成することで、人的資本への投資と持続的な企業価値向上との両立を目指します。
人的資本経営による社員の成長を、当社事業における基礎体力の向上と従業員の労働意欲に結びつけることで会社の成長エンジンとし、当社の企業価値向上によりステークホルダーの皆様へ還元してまいります。
- 当社事業基礎体力の向上
当社が目指す「次世代型エンジニアリング商社」の実現を目的に、新入社員には研修の段階から設備納品時に必要とされる項目について安全教育を実施、経験者採用においては高度な資格保有者の採用に注力するなどして、さらに専門性を高めてまいります。
- 従業員の労働意欲や成長意欲の向上
当社は7つの事業領域で、さまざまな市場・業界でビジネスを推進していることから顧客や仕入先も多岐にわたり、多様性への理解を深めることが「稼ぐ力」となります。多様性推進を目的とし、女性活躍の環境整備と採用活動の多角化を進め、中核人材における女性比率の向上と外国籍人材や経験者採用を推進しています。
- 幹部候補の経営力の育成
幹部候補の育成を目的に、実践経験の多角化を進め、国内外関連会社へ計画的に配置し、経営感覚を持った人材の育成を進めています。
※具体策の黄色は着手済み項目
人材戦略
当社は従来型のメンバーシップ的な人事制度から、各々の職責が持つ役割を明確にした「新人事制度」を2021年度より運用を開始しております。「次世代を担う人材育成」「働きがいの向上」をメインテーマに据え、総合職群の先のマネジメント職群(M職:旧管理職群)のほか、新たにプロフェッショナル職群(P職)、テクニカル職群(T職)を設け、個々の適性に応じた職群を選択できる仕組みです。
人材戦略における施策の実効性はエンゲージメント調査や自己申告書に基づく人事部による個人面談により、社員からの声を集約することで検証を行い、修正や新たな施策の立案に活用できるよう、サイクルを回しています。2023年3月実施のエンゲージメント調査においては、中期的な教育施策の不足に対する社員の声が抽出されたことを受け、自己申告面談時に長期キャリアパスを話し合えるよう運用を改善しています。また、より自律的なキャリア形成に向けて、社内議論を進めています。
人材育成委員会
当社では全ての事業本部、エンジニアリング本部、管理系本部から選出された委員による人材育成委員会を年4回実施。また、米州・欧州・アジア・中国の海外4エリアと連携した海外人材育成委員会も年2回実施しています。この委員会には代表取締役2名も参加し、委員との闊達な意見交換を通して、経営戦略に基づく体系的な人材育成プログラムの整備を行っています。昨年度はより一層、事業戦略と人材戦略を連動させるべく、各事業部および海外エリアごとのAs is - To beギャップを把握し、全社(人事部)で共通して行う教育と、各事業部に特化して行う教育の切り分けを行い、改めて中長期的な育成プログラムを作成しました。これらのプログラムに加え、豊富なコンテンツを取り揃えたEラーニングを導入し、個人の自律的なキャリア形成を後押ししています。その他、すでに導入済みの自己申告制度の活用、新たに導入予定の社内公募制度など、制度面の充実も図り、個人が描くキャリアを実現し、多様な人材を育成することで、イノベーションを促進し、成長戦略「V2030」を着実に実行していきます。
人材育成プログラム
- ※1:公的資格や業務上必要な各種資格を取得した場合、報奨金や月例手当を支給
- ※2:外国籍従業員も共通
人事評価制度
目標管理評価制度
目標管理制度に関する説明、面談の頻度など記載する自己申告書に各自が現状業務への満足度や異動希望などを記入して上司と面談する制度です。また提出する申告書にはボリューム制限などもありません。 さらに人事担当者との面談もセッティングされており、その結果は社長にも報告します。この制度と普段の接点を通して、経営者が社員の声を理解するとともに、風通しの良い社風を育むためにも役立てています。
従業員エンゲージメント
エンゲージメント調査の目的
人材戦略の強化(人的資本の投資、社員の育成・教育、働く環境の改善など)、サステナビリティ経営推進のため、社員のエンゲージメントに関する調査を実施しました。
調査結果の概要
仕事に対するエンゲージメントは高く、やりがいをもって積極的に仕事に取り組めている状態です。
個別の内容については、昨年同様、裁量をもって自律的に仕事に取り組める点や、上司・部下の関係については高い評価となっています。
低い評価を受けたのは、昨年同様に長時間労働(労働時間の偏り)や、仕事から受ける負荷に関する項目でした。
裁量をもって自律的に仕事に取り組めている一方、個人に対する負荷が高い状態であり、昨年に引き続き、全社で優先的に取り組むべき課題と認識しています。
今後の対応
昨年来、会議数の削減など長時間労働の是正に取り組んでいます。今後は、適正な人員配置(本部間異動や採用強化)、スタッフ職(旧一般職)の活躍などを促進して、労働時間の削減を進めていきます。
また、部門長研修の内容を、これまで以上に対話重視に変更しました。部下の状況をより的確に把握し、適正なワークアサインメントにより、目指すキャリアの実現と、仕事の負荷の平準化を図り、エンゲージメントの向上=生産性の向上を果たしていきます。
ダイバーシティ
基本的な考え方
当社グループには一千人を超える社員が在籍しており、多様な“人財”が企業活動を支えています。ビジネスをグローバルに展開させていく上で、性別や国籍、社会的背景に隔たりなく有能な人材を積極的に登用することは、今後の企業成長に不可欠です。
当社グループにおいては外国籍従業員を含む社員一人一人に当社の経営理念および成長戦略等を浸透させることにより、グループとしての一体感や組織の中で働く意識をしっかりと根付かせることができると考えています。
外国籍従業員の戦力化を重要施策の一つとして、今後も積極的に取り組んでいきます。
女性活躍推進
プロジェクト
全社員が活躍することにより企業価値を高めることを目的に、Universal(万人に共通する)と Inclusive(全てを含む、排除しない)の頭文字を取って、2024年7月にU&Iプロジェクトを立ち上げました。
多様性実現の第一歩として、女性の活躍に焦点をあてた座談会を2024年7月から11月にかけて4回実施しました。
事務局はサステナビリティ推進部が務め、女性社外取締役およびさまざまな職群・ライフステージの女性社員6名で座談会メンバーは構成されています。当社の女性社員がライフステージに関係なく、継続的な活躍が出来るようになるために現状の課題を抽出し、テーマに沿ったディスカッションを行いました。